COMITIA114に行ってきました(3/3+α)

COMITIA114に行ってきました(3/3+α)

コミティア115の前日に、前回の戦利品レポートを書きます。
そして記事を書き上げたのが、コミティア115当日。どうしてこうなった。

 

 

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MAGiCK No.013、No.014

MAGiCK--UEDA承孔王角

ロボットと女の子、というよりガンプラを装着した女の子を描く、
UEDA承孔王角さんのイラスト本。
武骨で直線的なロボットとシャープな曲線を持つ女の子の対比。いいですねえ。

イラストの一枚一枚が、空気感のあるリアルな厚塗り。
それでいて、筆致を見せないマットな質感。
重厚な色だけでなく、彩度の強い色も扱えるのもすごいですね。

ただ、写真集みたく1枚で完結しているイラストが多いので、
見ている側にとっては、想像して楽しむ余地がなさすぎるという面もあります。

ちなみに、イラストと同じぐらい印刷にもチカラが入ってます。
たとえばMAGiCK No.014のロゴ。
上から紫のシルクスクリーンで印刷されていますが、
この文字に手を乗せて温めると、色が淡くなり、透明に変化します。
マグカップだとよく見ますが、同人誌で見たのは初めてです。すげえ。

 

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ERAGMENTS

M&F FACTORY--UEDA承孔王角、BEMU

ERAGMENTSは、黒一色で刷られたA5サイズのイラスト集。
イラストはUEDA承孔王角さん、デザインをBEMUさんが手がけています。
Tシャツなどはこちらの名義で作成されることが多いようです。

赤地のRed Sideと黄色地のYellow Sideが組み合わさっています。
RedSideがUEDAさん、YellowSideがBEMUさん、ということですかね。
色の濃淡をグレースケールではなくドットで表現しているためか、
たった一色の黒色が、より鮮やかに彩って見えます。

UEDAさんのイラストはカラフルなものが多いので、
こうして単色になると、シックで硬派な雰囲気に変わります。
BEMUさんのデザインも一枚一枚の求心力が強く、
それこそポスターやTシャツとして使えそうです。

 

 

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A SHIOYA STORY

Graeme McNee

コミティア当日、海外同人のコーナーというものがありました。
海外で活動されている同人作家の作品を、日本語訳したものを即売しているとか。
そちらにお邪魔して、せっかくなのでと購入したのがこちら。
限定300冊中の250冊目をいただきました。ちょっとキリのいい数字ですね。

表紙にはタイトルも作者名もなく、水玉で描かれた海に船が浮かんでいるのみ。
素朴だけれど訴えかけるチカラのあるデザインと、
マンガのイメージを特徴づける、きれいで印象的な青色。
特に青色は物語中にも一貫して使われ、雰囲気作りに一役買っています。
このような表現はとても好きです。

基本はストーリー仕立ての4コママンガ。
一匹の黒猫が屋根の上で立ち往生しているところから始まります。
それを見た町の人が、猫を助けられないかと四方八方から手を借りるというお話。

ストーリーはあまり起伏がなく展開されていくため、
フシギなほどゆる〜い雰囲気が醸し出されています。
それでいて起承転結の流れは抑えられているので、すらすらと読めます。
毎回提案はされるけど実行されない「魚をあげたら?」にはクスッときました。

 

 

さて、コミティアで頂いた本の紹介は以上で最後です。
ここから先は、コミティアをきっかけに(?)ネットで購入した同人誌を紹介させていただきます。

 

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永遠談話東方 箕

紫之民--むらちき

ネットでお世話になっている、むらちきさんの同人誌。
初めての委託販売ということで、買わせていただきました。
東方projectの二次創作で、例月祭が行われるまでの永遠亭の1日を描いた絵巻物です。

短編綴じという変わった冊子構成に加え、
和紙のテクスチャに筆文字の題名、さらに手書きのセリフというこだわり。
物語だけでなくデザインにおいても、和のテイストが表れています。

イラストとそれに沿った小話がおよそ8組という構成。
どれも生活の一場面を切り取ったような、活き活きとした情景です。
例月祭に出す料理の準備、イナバたちの餅つき、準備を抜け出す者たち。
祭りの始まり、宴もたけなわ、そして祭りのあと。
一同が会する一大イベントまでにも、彼女ら一人ひとりには違った物語があります。

さて、私自身は、キャラクターの名前以外ほとんど知らないニワカものですので、
単純に日常風景としてこの作品を楽しんでしまいました。
東方projectの深い知識を踏まえれば、また違った感想が得られるのかもしれませんね。
つまり私は弾幕シューティングに挑戦すればいいんですね。ムチャな。

 

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チーズケーキ

コジマケン

学生の頃、いくつかの交流系WEBサイトには「タマゴ発射台」というものがありました。
レトロインクが提供していた、文字どおりタマゴを発射するサービスです。

発射されたタマゴは、レトロインクが開発したブラウザゲーム
「冬のガリレオ」のプレイヤーの誰かに届けられ、
そのタマゴから生まれた生き物にプレイヤーは一喜一憂するのです。ひよげリーチやんけ。

冬のガリレオの、童話のようなSFのような世界観作りに
一躍買っていたのが、20名からなるオペレーター。
そしてそのオペレーターを描いたのが、コジマケンさんです。

コミティアにコジマケンさんが参加されていたのは、
当日になって初めて知ったので思わず喜んでいたのですが、
なぜか委託だと勘違いして、隣のサークルさんの本を買ってしまいました。
そんな出会いだったとは山川直人さんにはとても言えません。今言いましたが。

前置きが長すぎました。
チーズケーキは、コジマさんの過去の短編漫画4作、計9話をまとめた短編集です。
収録タイトルは「セーター着せたくならない?」を始め、
「夢みるネテールちゃん」「春のおんがく」「田園の憂鬱」。

どのお話も、子供の空想が現実になったような、とてもほほえましいものばかりです。
一滴の涙を大きさがわからなくなるぐらい見つめれば、そこは水族館。
大きなキノコの傘の下では、二匹のカエルのお茶会が。
こうした飛躍した想像は、考えるのもそうですが、
見ていてもとても楽しいものです。

不思議なことなのですが、この本を読んでいて、なつかしい、と感じました。
今初めて読んだ作品ばかりのはずなのに、
その童話のようなSFのような雰囲気が、なつかしいのです。

そしてその雰囲気が、冬のガリレオのみに表れたものではなく、
コジマケンさんの作風だったことに、とても嬉しく思いました。

 

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南の魚

コジマケン

上述したコジマケンさんの全5巻予定の連続漫画。
その第1巻「失踪する天文学者」です。

シャボン玉を吹く女の子マリマリ(3文字目は左右反転したマ)は、
旅のパン屋を名乗る、歩くトースターに出会います。
彼の名前はラソブレッタTV200。ランブレッタとは似ているけどちょっと違うそうです。

マリマリは天文学者の母親のふたりぐらしですが、
母は星を見ることに夢中になると、周りが見えなくなるほど没頭する欠点がありました。
マリマリが話しかけても気づかず、あげくその状態が数日間も続くのです。

そんな母に嫌気がさしたマリマリは、
シャボン玉の要領で星を作って、母の仕事を妨害していたのです。
しかしそれでは、いつまで経っても母の仕事は終わりません。

それを見かねたラソブレッタは、マリマリに提案をします。
自分を使って落ち葉を焼いて、星空を煙で隠してしまえば?
この作戦ははたして、うまくいくのでしょうか。

キャラクターの心情や境遇といった物語の土台がしっかりしていながらも、
シャボンで星を作るといった、コジマケンさんの空想的な作風も活きています。
そして、南の魚というタイトルの意図はいったい?
現在2〜4巻がありますが、これからどんなお話が続くのか楽しみです。

ふと思ったのですが、コジマケンさんの作品のロゴもなかなか面白い形をしています。
いろんなパーツや模様がくっつきあい、ひとつの文字が形作られる。
パッチワークを思わせるような、そんな美しさです。

 

駆け足になりましたが、以上が前回の戦利品でした。
今回のコミティア115では、どんな本に出会えるのでしょうか。楽しみです。