Epic Rap Battles of History

Epic Rap Battles of History

10/31に初めて見た動画が、自分好みすぎて、未だにその衝撃から抜け出せません。
この5日間でYoutubeの視聴履歴がコイツでほとんど埋まったほどです。
というわけで、そんな動画「Epic Rap Battles of History」を紹介します。

 

「Epic Rap Battles of History」は、Nice PeterとEpicLLOYDの2人によるラップバトルの動画です。
ラップバトルというのは、ラップで相手を上手くいなして自分の強さを誇示し、
どちらが格好良かったかを観客に決めてもらい勝敗を決める、というもの。

となると、このままではただ悪口を言い合うだけの口ゲンカになってしまうのですが、
この企画の面白いのは、ラップバトルをする相手が「歴史的に有名な人物同士」なのです。

世代を超えた音楽の戦い「ジャスティン・ビーバー VS ベートーヴェン」、
因縁のライバル対決「スティーブ・ジョブズ VS ビル・ゲイツ」、
歴史的悪役の傑作バトル「アドルフ・ヒトラー VS ダース・ベイダー」……。
まさに、夢のドリームマッチが繰り広げられているのです。
個人的に組み合わせで一番笑ったのは、「ライト兄弟 VS マリオブラザーズ」です。

そして、これがラップバトルの醍醐味なのですが、言葉遊びがとても巧みで面白いのです。
自身の持つ歴史や特色を生かしたネタで、相手を軽くいなしていきます。
言葉遊びが豊富な点でお気に入りなのが、「スクリレックス VS モーツァルト」。
EDM好きなら一度は聴いてほしいラップバトルです。

 

skr

My name is Skrillex, man! Welcome to the Devil’s Den
(俺の名前はスクリレックス ようこそ悪魔の巣窟へ)
I’m a scary monster stomping this sprite in frilly pants
(このフリルパンツ穿いた妖精を踏み潰す、恐るべき怪物さ)

スクリレックスの第1バースですが、この時点でもうネタ満載です。
The Devil’s Den」は彼の楽曲名、「scary monster」「sprite」も彼の有名な楽曲「Scary Monsters and Nice Sprites」から。
そして最初の「My name is Skrillex」は、彼が最初に出したアルバムのタイトル。
楽曲やアルバム名をこうしてバースに仕込ませているのを見ると、ニヤけずにはいられません。

中でも、思わず感嘆したのがスクリレックスの第2バース。

I attack! You decay! Can’t sustain my releases!
(俺の番だ! お前は落ち目さ! 俺のリリースは止められない!)

Youtubeのコメントを見て初めて気づきました。「attack」「decay」「sustain」「release」……。
これらの単語、シンセサイザーの機能にある「ADSR」です。こんな形で仕込むとは! 思わず舌を巻きました。
おかげでどう訳したらいいのかさっぱりわからない!

 

moz

対するモーツァルトのバースも、ダブステップの特徴を皮肉った返しが小気味よくて好きです。

Was that a verse, or did you just get the hiccups?
(今のってバース? それともただの君のしゃっくり?)

直前のスクリレックスのバース「A-A-A-A-Amadeus」への返し。
出だしの音を繰り返し刻むのはダブステップによくある手法なのですが、それを「hiccups(しゃっくり)」と皮肉ります。

Oh yes, I’ve heard that EP, and see I transcribed it here
(ああ、君のEP聴いたよ、んで五線譜に写してみたさ)
Tell me, what comes after the 68th measure of diarrhea?
(教えてくれよ、68小節目の下痢の後なにが来るんだよ?)

単語の意味を調べていて、そのモーツァルトらしい揶揄に思わず笑ってしまいました。
ワブルベースを「下痢」と表現するか! 確かに似てるし、思ったことあるけど!

このように、たった2分弱のラップバトルの中に、数えきれないほどの言葉遊びが含まれていて、
ラップを聴くだけでなく、その意味や真意を調べるだけでも十分に楽しめます。

 

こうした数多くの偉人によるラップバトルが、Nice PeterとEpicLLOYDの2人によって行われており、
そのどれもが、聴きごたえ抜群の2分間を提供してくれます。
苦手意識のある人にも、ぜひ聴いてみてほしいラップです。

この動画の何が恐ろしいかというと、Youtubeでは一千万単位で再生されている動画なのに、
ニコニコ動画に転載された方は1000再生すらも行っていないという……。
おまけに、日本語訳も限りなく少ないのが気がかりです。不思議なぐらい。